耳鳴り不快感関連部位を県立医大研究チームが特定(写真付き)

2013年07月29日 17時52分 ニュース, 社会

日本人の300人に1人が悩まされているとされる、ひどい耳鳴りについて研究している和歌山県立医科大学などの共同研究チームが、耳鳴りによる不快感を引き起こす脳の部位を特定したと発表しました。

記者会見する県立医大の研究チーム(7月29日・和歌山県立医大にて)

記者会見する県立医大の研究チーム(7月29日・和歌山県立医大にて)

研究チームでは、今後、耳鳴りの不快感が原因で精神を病んだり自殺に追い込まれたりする状態の解消につながるとして、さらに具体的な部位の特定を進めることにしいています。

金桶教授

生理学第一教室・金桶教授

耳鳴りの研究を行っているのは、県立医大・生理学第一教室の金桶吉起(かなおけ・よしき)教授や解剖学第一教室の上山敬司(うえやま・たかし)准教授のほか、神経精神医学や耳鼻咽喉科学の分野の教授、それに最新鋭のMRI施設を持つ県内の民間医療機関によるチームです。

上山准教授

解剖学第一教室・上山准教授

 

耳鼻咽喉科学教室・山中教授

耳鼻咽喉科学教室・山中教授

神経精神医学教室・篠崎教授

神経精神医学教室・篠崎教授

おととし(2011年)5月に研究を開始し、全国24人の重度の耳鳴りに悩む患者に対してMRI検査を行うなどし、耳鳴りの大きさや不快感と脳の異常との関連性を詳しく調べてきました。

その結果、精神的な不調や、自殺などを引き起こすきっかけとなる耳鳴りの不快感は、脳の「内側前頭葉下部(うちがわぜんとうよう・かぶ)」と呼ばれる部位が、耳鳴りの強さと関連する「尾状核(びじょうかく)」や「海馬(かいば)」といった部位からの繋がりに深く関連していることが特定されたということです。

これまで、医療の世界では、耳鳴りに関連した症状は、脳の異常に原因があると漠然と考えられてきましたが、具体的な脳の部位と症状との関連を特定するのは、県立医大の研究チームが初めてです。

きょう(29日)県立医大で記者会見した金桶教授らは「脳の異常はちょっとした刺激で正常な状態に戻すことも可能で、耳鳴りの不快感を解消すれば、重症患者の負担軽減が大いに期待できる」と述べ、今後も、更に詳しい脳の部位の特定や、治療法確率の為の研究に全力を上げる方針を示しました。