根来寺の「絹本著色鳥羽天皇像」などが重文指定へ

2015年03月13日 18時46分 ニュース, 社会

国の文化審議会は、岩出市(いわでし)の根来寺(ねごろじ)が所蔵する、南北朝(なんぼくちょう)時代の作とされる鳥羽天皇(とばてんのう)の肖像画と、戦国時代、村上水軍(むらかみすいぐん)から雑賀衆(さいかしゅう)に発行された海上通行証の2点を国の重要文化財に指定するよう答申することになりました。

このうち「絹本著色鳥羽天皇像(けんぽんちゃくしょくとばてんのうぞう)」は、平安時代後期に在位した鳥羽天皇をほぼ等身大に描いたもので、南北朝時代にあたる14世紀のものとされています。

崇徳(すとく)天皇に皇位を譲って出家し上皇(じょうこう)となった鳥羽天皇は、根来寺を開いた僧侶・覚鑁(かくばん)に深く帰依(きえ)し、荘園(しょうえん)を寄進するなど多大な支援をしたことから、のちに肖像画が描かれたとされ、この時代の肖像画を研究する上で重要な史料として、高く評価されました。

一方「過所船旗(かしょせんき) 天正九年三月廿八日(てんしょうくねん・さんがつにじゅうはちにち)」は、1581年・天正9年、当時瀬戸内海を制した村上水軍の当主・村上武吉(むらかみ・たけよし)が、雑賀衆の一員だった向井弾右衛門(むかい・だんえもん)に発行した海上交通の通行証です。

当時雑賀衆は、紀淡(きたん)海峡を起点に、瀬戸内(せとうち)や九州を行き交う海運業を営んでいたほか、石山合戦(いしやまがっせん)でも村上氏に協力していて、大動脈だった瀬戸内海の交通の実態を伝える極めて貴重な資料として高く評価されました。

和歌山県内の美術工芸品の重要文化財指定は、2012年9月、高野山金剛峯寺(こんごうぶじ)が所蔵する「木造執金剛神立像(もくぞうしゅこんごうしんりゅうぞう)・木造深沙大将立像(もくぞうじんじゃだいしょうりゅうぞう)」以来で、件数はこれで447件となります。