被告人質問の制限違法。最高裁が一審対応を批判

2015年05月28日 13時23分 ニュース

和歌山地方裁判所で行われた詐欺事件公判の公判前整理手続きで、弁護側が主張予定として具体的に伝えていなかった、アリバイに関する被告人質問を、地裁が制限した対応について、最高裁判所が「事件に関する質問で、制限は違法との判断」を示しました。

公判前整理手続きでは、迅速な審理に向けて争点を絞るため、検察側と弁護側が、主張や証拠を明らかにしますが、公判開始後の証拠提出などは制限されるのが通例です。しかし最高裁は、上告審のなかで、主張の重要性を踏まえた対応をするよう求めたと言えそうです。

和歌山市で、車との接触事故を装って運転手から治療費を欺し取ったとして、一審と二審でともに懲役4年の判決を受け上告していた74歳の男の被告に、最高裁第二小法廷がこのほど上告を棄却しました。

この裁判では、一審の和歌山地裁での公判前整理手続きで、弁護側が被告人のアリバイを主張して否認し、公判の被告人質問で、さらに詳しくアリバイを説明しょうとしたところ、検察側が「公判前整理手続きで出ていない主張」として異議を申請、地裁も異議を認めて質問を止めました。

最高裁第二小法廷の大貫芳信(おおぬき よしのぶ)裁判長は、アリバイに関する主張は認められており、判決には問題ないとしましたが、個別意見として「公判前に、被告の主張をあいまいにせず、具体的に明示させるべきだった」と地裁の訴訟指揮を批判しました。