谷崎潤一郎が佐藤春夫に「恋愛の苦悩」を明かす手紙2通見つかる

2015年06月20日 13時43分 ニュース

作家の谷崎潤一郎が、友人の作家・佐藤春夫に宛てて、恋愛の苦悩をつづった手紙2通が見つかりました。

2通の日付は1933年の2月と3月で、代表作の一つ「春琴抄(しゅんきんしょう)」を執筆した時期に当たります。手紙は、谷崎の孫で、佐藤とも血縁関係のある男性が保管していて、新宮市の佐藤春夫記念館が、きのう(19日)発表しました。

記念館によりますと、手紙には後に谷崎の3番目の妻となる松子(まつこ)との恋愛の苦悩がつづられています。谷崎は最初の妻と1930年に離婚し、その妻はその後、佐藤と再婚したため「妻譲渡事件」として世間を騒がせました。

谷崎は別の女性と再婚した後、既婚者の松子と恋に落ち、1935年に結婚しました。手紙には「愛の深まると共に物の哀れを感ずることも更に深し、これ青年時代の恋愛と異なる処也(ところなり)」と、松子への思いが吐露されています。また、2人の恋愛によって松子の家庭が壊れることを思い浮かべ「崩壊を手伝ふ結果となる也、これ実に心苦しき事なれども如何とも仕がたし」とも述べています。

手紙は、新宮市の佐藤春夫記念館で来月7日から公開される予定です。