捕鯨文化語る「鯨とともに生きる」が日本遺産に認定

2016年04月25日 19時29分 ニュース, 社会

文化庁は、きょう(25日)、歴史的な建物や祭りなど、有形、無形の文化財をまとめて地域の魅力を発信する、日本遺産の第2弾となる19件を発表し、和歌山県の、熊野灘の捕鯨文化に関するストーリーをまとめた「鯨とともに生きる」が初めて認定されました。

和歌山県は、太地町(たいじちょう)を中心に熊野灘で行われてきた、捕鯨と捕鯨にまつわるクジラ文化について、商業捕鯨が根付いたいきさつや、地元に伝わる踊りなどの文化財とともに紹介するストーリーを「鯨とともに生きる」と題して、ことし(2016年)2月、文化庁へ日本遺産に認定するよう申請しました。

ストーリーには、県史跡に指定されている太地町の捕鯨の祖「和田頼元墓(わだよりもとのはか)」や、新宮市三輪崎(みわさき)に伝わる県の無形民俗文化財「三輪崎の鯨踊(くじらおどり)」などが含まれ、熊野灘沿岸で江戸時代から続く伝統的な捕鯨文化を、民族文化や信仰などの側面から、わかりやすく解説しています。

仁坂吉伸知事は日本遺産認定について「大変嬉しく思います。熊野灘地域の捕鯨文化の歴史的経緯や地域の風習に根ざし、世代を超えて受け継いだことが評価されました」とコメントを発表し、世界遺産・熊野古道や熊野三山などと併せて、対象地域の自治体や県・観光連盟などと連携して、受入体制の整備やPRを推進する考えを示しました。

仁坂知事は当初、太地町のイルカ追い込み漁も対象に考えていましたが、盛り込まれませんでした。また和歌山市と海南市が申請していた「紀州徳川家の『父母状』を継承する街」は認定が見送られました。

「日本遺産」は、観光振興などの地域活性化に役立てる文化庁の新しい事業で、歴史的建造物や伝統芸能といった有形無形の文化財だけでなく、伝統や風土に根ざした「ストーリー」を認定の対象とするもので、去年の第1弾とあわせて33府県の37件になりました。

文化庁は、日本遺産を毎年認定し、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年までに100件に増やす方針です。