紀の川市の小5殺害事件 罪状認否が二転(写真付)

2017年03月06日 22時06分 ニュース, 事件・事故・裁判

おととし(2015年)2月、紀の川市後田(しれだ)で小学5年生の森田都史(もりた・とし)くん当時11歳が殺害された事件で、殺人罪などで起訴された紀の川市の無職、中村桜洲(なかむら・おうしゅう)被告24歳の裁判員裁判の初公判が、きょう(6日)和歌山地方裁判所で開かれました。中村被告は罪状認否で、公判前手続きで示した方針を一転して否認したため、一旦休廷する異例の展開になりましたが、そのあと開かれた公判でさらに前言を翻して起訴内容を認めました。

事件は、おととし2月5日、自宅近くで遊んでいた都史くんが、なたのような刃物で胸などを刺されて殺害されたもので、近所に住む中村被告が逮捕されました。和歌山地方検察庁は、供述で理解できない言動があったことから精神鑑定を実施し、刑事責任能力は失われていないとして起訴しました。

公判前の整理手続きで被告側は、起訴内容を認める方針でしたが、きょうの初公判で中村被告は、「違います、全部」「やってない」と述べ、一転して全面的に否認したため、弁護人があわてて休廷を求め、審理はストップしました。

およそ5時間後の午後3時に再開した法廷で、弁護人との協議などを終えた中村被告は、前言を翻して起訴内容を認めました。

その後の冒頭陳述で検察側は、被告が事件当時心神耗弱状態だったことと、事実関係は争わない方針を示した上で、「妄想などの影響を考慮しても、刑事責任は問える程度の状態で、執拗かつ凄惨な犯行」と主張しました。また動機については、都史くんが普段から兄とともに被告の自宅周辺で棒を使って遊んでいたことを挙げ「1人を殺せば、もう1人もおとなしくすると考えた。襲われるのではないかと不安になり、嫌がらせを受けていると思っていた」と指摘しました。これに対し弁護側は、事件当時、中村被告が心神耗弱の状態で、すべての責任を問うことはできないと主張しました。

このあと証人尋問が行われ、都史くんが倒れているのを発見した男性が、事件前後の都史くんと中村被告の様子などを証言しました。

きょうの審理のあと、弁護側は被告人の認否が翻った理由や休廷中のやりとりなどについて、「守秘義務のため」としてコメントしませんでした。裁判の日程に変更はなく、今後、被害者参加制度に基づき、都史くんの父親や、1つ年上の兄が意見陳述などを行ったあと、今月28日に判決が言い渡される予定です。