伝統行事の記録蓄積、第1弾「和歌山県文化財」近く公開

2017年04月30日 18時23分 ニュース, 社会, 防災

国立文化財機構・東京文化財研究所がすすめる各地の伝統行事のデジタルアーカイブ事業で、第1弾として、和歌山県指定文化財が、夏までに公開される見通しです。

これは、災害で衣装や用具が失われたり、担い手の減少で伝承が途絶えるといった場合でも、記録を基に再現できるよう、伝統行事の様子を記録した動画や写真などを蓄積しておこうという取り組みです。そして、国や地方自治体が、文化財に指定した祭りや神楽、獅子舞などを対象に、行事の進行や用具の使い方が分かる資料を集め、インターネットで公開することにしていて、第1弾として、和歌山県から県指定文化財の資料の提供を受け、作業が進められ、夏までに公開されます。順次、他の都道府県への拡大を目指し、将来は、文化財指定されていない行事も含め、全国の所在地地図を作り、支援に役立てたいとしています。

研究所によりますと、岩手・宮城・福島の3県の沿岸部には、文化財に指定されていないものも含め、およそ1500件の民俗芸能や祭礼行事が伝承されていましたが、東日本大震災で用具の喪失や担い手不足に見舞われ、2014年2月現在で、現状を把握できたもののうちおよそ260件は、休止や廃止、内容変更を余儀なくされていました。

研究所の久保田裕道(くぼた・ひろみち)無形民俗文化財研究室長は「伝統行事は、地域の絆を生み出す重要な存在だ」と強調、過疎化などで消滅の危機にある行事も多い中、「記録を集め、公開していくことで、変容や消滅のリスクに対抗できる」と話しています。