社経研・荒俣宏氏講演「南方熊楠…と、その異友たち」(写真付)

2017年11月08日 19時44分 ニュース, 社会

和歌山社会経済研究所の主催する講演会が、きょう(8日)午後、和歌山市のホテル・グランヴィア和歌山で開かれ、作家で博物学者の荒俣宏(あらまた・ひろし)さんが、ことし(2017年)生誕150年を迎えた博物学者・南方熊楠(みなかた・くまぐす)と共通性を持つ文化人について語りました。

講演する荒俣宏さん(11月8日・和歌山市友田町)

熊楠研究者としてテレビや雑誌で有名な荒俣さんは、南方熊楠記念館と世界遺産熊野本宮館の名誉館長を務めているほか、ことし5月には和歌山県知事表彰を受賞しています。

講演会で、荒俣さんは、民俗学者の柳田国男(やなぎた・くにお)が、世界の伝説から生命の起源を考えた熊楠の常識を超えたアプローチを「日本人の可能性の極限」と評したことや、熊楠も愛読した小説家・中里介山(なかざと・かいざん)の長編小説「大菩薩峠(だいぼさつとうげ)」で描かれた、主人公・机竜之助(つくえ・りゅうのすけ)と怪しげな登場人物が繰り広げる混沌とした「修羅の道」の世界観と熊楠が遺した「南方(みなかた)マンダラ」との共通性、机竜之助が紀州の龍神村(りゅうじんむら)で見た「清姫の帯(きよひめのおび)」と呼ばれる不吉な帯状の雲と安珍清姫(あんちん・きよひめ)伝説との関連性を紹介しました。

さらに荒俣さんは「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」で有名な童話作家の宮沢賢治(みやざわ・けんじ)も「大菩薩峠」の愛読者だったとして「大菩薩峠の歌」を作詞・作曲したことや、詩集の題名を「春と修羅」と名付けたこと、鉱物採集や天体観測に没頭したことなどから「賢治も熊楠や介山に強く影響を受け、人間の範疇(はんちゅう)を超えた宇宙や生物学、宗教的な面からアプローチして、森羅万象を描こうとしたのではないか」と語りました。