医大・近藤教授ら研究G 突発性肺線維症の発症メカニズム解明(写真付)

2017年12月07日 18時55分 ニュース, 社会

和歌山県立医科大学と金沢大学の研究グループは、原因不明で有効な治療法が確立されていない、突発性肺線維症(はいせんいしょう)の発症メカニズムを解明したことを明らかにしました。

記者発表のもよう(12月7日・和歌山県立医大)

これは県立医科大学・法医学講座の近藤稔和(こんどう・としかず)教授と、金沢大学がん進展制御研究所の共同研究でわかったものです。

突発性肺線維症は、肺の中で酸素と二酸化炭素を交換する肺胞(はいほう)と呼ばれる袋状の部位の壁が傷ついた際に、何らかの原因で細胞が過剰に修復されて硬くなってしまう病気で、息切れやせき、たんなど重い呼吸困難の症状があらわれます。50代以上の男性に多く、日本では人口10万人あたりで6人から10人が発症しているとされています。

近藤教授らの研究グループはマウスを使った実験で、傷ついた肺胞の修復を行う「M2(エムツー)マクロファージ」と「ファイブロサイト」と呼ばれる骨髄の中の2種類の細胞の働きを阻害することで、過剰な修復を抑えられることを突き止めました。

近藤教授は、今月4日、インターネットの論文サイト「サイエンティフィック・リポーツ」に発表し「今後、阻害薬の開発の研究が行われるきっかけになるのではないか」と話しています。

県立医大法医学講座の近藤教授

近藤教授は、肺線維症の研究を始めたきっかけについて「検視の経験上、突然死の原因のひとつに肺線維症が多いことや、農薬に使われるパラコートが肺線維症を進展させるケースが多いことがわかり、法医学で得られた知見を、生きている患者の治療にも役立てたいという思いがある」と語っています。