100年ぶりサクラ新種 紀伊半島で「クマノザクラ」(写真付)

2018年03月13日 20時06分 ニュース, 社会

紀伊半島南部のサクラが、国内の野生種として100年ぶりの新種だということが判明し、「クマノザクラ」と命名されました。

クマザクラ(提供:和歌山県林業試験場)

これは、茨城県つくば市の森林総合研究所がきょう(3/13)、発表したものです。

鮮やかなピンクの花が特徴で、熊野川流域を中心に、和歌山、三重、奈良にまたがる南北およそ90キロ、東西およそ60キロの範囲で確認されました。

和歌山県内では、これまでに、田辺市、新宮市、古座川町、那智勝浦町、白浜町で確認されています。

森林総合研究所によりますと、人工交配などによるソメイヨシノのような栽培品種のサクラは数多くありますが、国内の野生種は、9種類しか確認されておらず、クマノザクラは、1915年のオオシマザクラ以来の新種だということです。

このサクラを発見したのは、森林総研のサクラ保全チーム長、勝木俊雄(かつき・としお)さんで、変わったサクラがあると聞いた勝木さんが、おととし(2016年)の春から、古座川町などで、和歌山県の林業試験場と共同で本格的な調査を行ってきました。

そして、開花時期が3月上旬から下旬と早く、葉が細長くて小さいといった固有の特徴を多く持つことが判明したことから、既存種の突然変異などではなく、新種と結論づけ、熊野地方に群生しているため「クマノザクラ」と命名しました。

勝木さんは、「身近なところで咲いていたのに、いままで新種と分からなかったのは驚きだ」と話しています。

古座川町の松根で【2017年撮影】(提供:和県林業試験場)

古座川町の樹木医、矢倉寛之(やぐら・ひろゆき)さんは、「日本さくら名所100選」に選ばれているものの、腐ったりしている、町内の七川ダム周辺にあるソメイヨシノおよそ3千本を、クマノザクラに植え替えることを目指して苗を育成しています。矢倉さんは、「紀伊半島にしかないサクラを全国の人に楽しんでほしい」と話し、勝木さんも「観賞用に最適。地域の新たな名物に」と期待を寄せています。