和歌山市がん検診受診者データの追跡調査で9例のがん発見の可能性判明

2018年08月08日 20時05分 ニュース, 政治, 社会

がん検診の精度を高めるため、厚生労働省と和歌山県などは、このほど和歌山市の検診データの提供を受け、県が持っているがんにかかった人の登録データと照合しました。

この結果、4万例のデータを追跡調査で受診後2年以内にがんを発症したケースが66例あり、うち9例は検診段階で発見できた可能性があることが分かりました。

データは和歌山市が2012年度に実施したがん検診受診者のデータで、県は、2009年1月から2014年12月までにがんにかかった人の「がん登録データ」と照合しました。

その結果、健診の受診から2年以内にがんが発生した66人のうち、健診でがんを発見できなかった人の割合が肺がんが最も多く6例、乳がん2例、大腸がん1例のあわせて9例あることがわかりました。これらは検診で「要精密検査」ではありませんでしたが、がんの進行速度などを勘案した結果、県などの研究班は「検診段階で発見できた可能性がある」との判断しました。

今回の調査に当たった研究班は、「健診の段階で見逃される場合もある。早期から中期のがんの発見と治療につなげるため、健診の判断にがん登録データの利活用が有効である」と結論付けました。

県は「今回の事例をきっかけに、和歌山市以外の健診の精度向上にもつなげたい」と述べ、データを提供した和歌山市も「より効果的で質の高い対策型健診が可能になる」と話し、速やかに健診のチェック項目の充実をはかる考えです。

厚生労働省の研究班は「将来のがん登録の本格的活用に向けた、先進的で積極的な取組だ」と高く評価しています。

検診段階で9例のがんが見つかる可能性があったことについて県は、「個別にどのような症例だったかを検証し、がん検診の質の向上に努めたい」と話しています。