近畿大学 「完全養殖クロマグロの海洋放流実験」に関する説明会(写真付き)

2012年12月13日 19時15分 ニュース, 社会, 経済, 防災

白浜町にある近畿大学水産研究所が水産総合研究センター国際水産資源研究所と共同で全米熱帯マグロ類委員会の協力を得て実施した「完全養殖クロマグロの海洋放流実験」に関する説明会が、きょう(13日)、行われました。

タイヘイヨウクロマグロの回遊模式図の説明

完全養殖クロマグロを自然界に放流する実験は、グローバルCOE(シーオーイー)プログラムの一環として行われ、減少しているマグロ資源の保護と少ない天然資源を増強することを目的に始められました。

今回の実験は、世界で初めての試みで、10月21日に、和歌山県串本町沖から、他のマグロと識別できるようにタグを付けた生後3か月の種苗を1862尾放流しました。放流してから12月5日までの間に、和歌山県から静岡県にかけての沿岸で8尾が捕獲され、そのうち2尾が、放流後30日を過ぎて捕獲されました。マグロは放流してから30日を過ぎると、餌を食べないと餓死すると言われていることから、人工環境で育った完全養殖クロマグロが、自然環境の中でも自分で餌を捕り、生き残れることが証明されました。

近畿大学水産研究所の熊井英水(くまい・ひでみ)教授は、「放流した種苗を回収することで完全養殖クロマグロと天然魚との間で、生き残る確率、成長速度、環境への適応性や回遊経路などを比較することができるようになります。今後は、完全養殖種苗を自然の海に放すことで、生物生態系や遺伝子に影響はないのかの研究を進めていきたいと思います」と話していました。