田辺出身・太田隆文監督「朝日のあたる家」静岡で公開(写真付き)

2013年06月30日 11時19分 社会

田辺市出身の映画監督・太田隆文(おおた・たかふみ)さんが、原発事故の悲劇を描いた最新作「朝日のあたる家」が、きのう(29日)ときょう(30日)の2日間、ロケ地の静岡県湖西(こさい)市で上映され、およそ3500人を動員する盛況ぶりです。

 

舞台挨拶に立つ太田監督(左端)と俳優ら(6月29日・湖西市民会館にて)

太田監督は、これまでにふるさと田辺市の情景と友情をテーマにした「ストロベリーフィールズ」や、書道に打ち込む高校生らの葛藤を描いた「青い青い空」などの作品を発表しています。

おととし(2011年)3月の福島第一原発事故の後、太田監督は、政府や電力会社の発表だけではわからない原発事故の悲惨さを映画で訴えようと、福島やチェルノブイリ原発での取材を敢行し、湖西市や隣の浜松市民らの協力を得て、自らの脚本で映画を完成させました。

あらすじは、湖西市に住む平凡なイチゴ農家に突然大地震による原発事故で避難勧告が出され、父親の失業や、被ばくした妹の発病などが相次ぎ、一家が住み慣れた我が家を追われるという内容です。

 

並木史朗さんと平沢いずみさん(6月29日・湖西市民会館にて)

脚本に感銘を受けた並樹史朗(なみき・しろう)さんや斉藤とも子さん、いしだ壱成(いっせい)さんのほか、反原発を訴える藤波心(ふじなみ・こころ)さんや山本太郎(やまもと・たろう)さんら豪華な俳優が出演しています。

 

上杉嗣郎さん(左)と太田監督(右)(6月29日・湖西市民会館にて)

またエキストラには多くの市民ボランティアが参加し、原発建設の賛否を巡って街が二分した過去を知る、旧・日置川町(ひきがわちょう)出身の会社員・上杉嗣郎(うえすぎ・しろう)さんも被災者役で出演しています。

上杉さんは「親戚や近所同士で争う様子が子供心に強く残っていました。原発問題にメスを入れるこの映画が全国に広がって欲しい」と話していました。

 

座席を埋め尽くす観客(6月29日・湖西市民会館にて)

初日のきのうは、午後1時と午後7時の2回、湖西市民会館で上映が行われる予定でしたが、午後1時の回に定員の1000人を超える市民が詰めかけたため入りきれず、急きょ午後4時20分に追加上映しました。

3回目の午後7時の上映前には、太田監督をはじめ、俳優の並木さんや山本さんらが舞台挨拶しました。

 

あいさつする山本太郎さん(6月29日・湖西市民会館にて)

原発反対運動に身を投じ芸能界から遠ざかり、久しぶりに俳優として登場した山本さんは「監督や市民の祈りのような力作だ。原発事故は美しい自然や人々の生活を根底から覆す」と訴えました。

太田監督は「原発の悲劇をストレートに表現した。大手の映画会社ではまず上映できないが、独立系の映画館や市民グループに協力を求めていく」と話していました。

2日目のきょうは湖西市の新居(あらい)地域センターで、午後1時と午後7時の2回上映されます。