海南の小学校で「高濤記」を使った防災の授業(写真付き)

2013年10月24日 20時11分 ニュース, 社会, 防災

江戸末期、安政(あんせい)の南海地震による大津波について記された古文書「高濤記(こうとうき)」を使った防災の授業が、きょう(24日)午後、海南(かいなん)市立黒江(くろえ)小学校で行われました。

「高濤記」を児童に見せる馬場校長(10月24日・海南市立黒江小にて)

「高濤記」を児童に見せる馬場校長(10月24日・海南市立黒江小にて)

これは、今年度(2013年度)の海南市の防災教育研修の一環で行われた特別授業です。

高濤記を眺める児童ら

高濤記を眺める児童ら

高濤記は、江戸末期に海南市黒江の漆器問屋・岩手屋平兵衛(いわでや・へいべえ)が記した古文書で、黒船来航や、安政の南海地震による大津波の被害の様子が、34ページ・およそ4600文字にわたって詳細に記されています。

馬場校長

馬場校長

東日本大震災のあったおととし(2011年) 海南市立北野上(きたのかみ)小学校の馬場一博(ばば・かずひろ)校長が、当時の6年生に高濤記を教材にした授業を行い、近い将来予想される南海トラフ巨大地震などへの備えを教育現場で訴えています。

きょう午後、黒江小学校で行われた授業では、馬場校長がスライドを使って高濤記の概要を児童らに説明しました。

そして、安政の南海地震による大津波に襲われた当時の海南の人々が山に逃げまどう様子について書かれた部分を児童と音読しました。

スライドを使って説明する馬場校長

スライドを使って説明する馬場校長

その上で馬場校長は「高濤記には、被害の記録だけでなく、初期消火や物資の蓄え、津波が来るまでの わずか時間で高台へ逃げることといった、命を守る教訓まで簡潔に書き残されています」と訴え、昔の人の知恵を後世に伝えるよう求めました。

馬場校長は、高濤記を遺した岩手屋平兵衛について「災害の経験を子孫に残そうという迫力や情熱を感じられ、しかも簡潔にまとめられている。商売上、江戸や諸国の情勢をつかむ必要があったからこのような記録を遺したのだろう」と、平兵衛の功績をたたえていました。