深層崩壊をいち早く発見、地震計利用で京大防災研が開発

2014年05月11日 13時28分 ニュース, 防災

既に設置されている地震計を使って、豪雨や地震による「深層崩壊(しんそうほうかい)」が、いつどこで発生したかをいち早く捉えられるシステムを、京都大学防災研究所のグループが開発し、3年前の紀伊半島豪雨の解析では、和歌山県などの崩壊現場と場所がほぼ一致しました。

深層崩壊は、山の表面を覆っている土壌部分だけではなく、その下にある岩盤ごと、大規模に崩れる現象で、大量に流れ出た土砂が、川をせき止めて、土砂ダムができる恐れがあります。

京大防災研の山田真澄(やまだ・ますみ)助教らは、全国およそ千か所の地震計の観測データを使い、地震で記録される地震波とは違って、振動が徐々に大きくなる特有の波形を見つけ出し、2011年の紀伊半島豪雨の際の波形を解析したところ、航空写真で確認された和歌山県や奈良県の深層崩壊の場所とほぼ一致することを突き止めました。

このシステムは、崩壊による揺れが、地震計のある観測点まで到達する時間や距離をコンピュータで解析して、深層崩壊の時刻や場所を特定し、画面上の地図に示す仕組みで、これによって、土砂ダムの決壊防止や住民避難などの対策が迅速に取れるということです。捉えられるのは、東京ドーム一つ分程度=およそ124万立方メートルの土砂が崩れる大規模な深層崩壊で、発生後1分から3分で把握できる性能があり、今後、京大防災研で試験運用し、実用化に向け、さらに制度を高めたいとしています。

これまでは、山の斜面にワイヤを張り、割れ目の幅を測定し、地盤の動きを調べて監視していました。今回のシステムでは、地形に関係なく、全国で深層崩壊の発生を覚知(かくち)できるようになり、これまで、ヘリなどで上空から把握していた土砂ダムの形成も早く分かります。得られた発生時刻や土砂が滑り落ちる速度、当時の降雨量などのデータを解析すれば、警戒が必要な降水量を割り出すことも可能だといいます。

山田助教は、「事前には深層崩壊を察知できないが、2次災害を減らすにに役立つ。緊急地震速報のように広く活用されるようにしたい」と話しています。