与謝野晶子の未発表短歌 田辺で発見

2014年07月26日 12時04分 ニュース, 社会

明治から昭和にかけて活躍した歌人・与謝野晶子の発表されていない直筆の短歌が、田辺市で見つかったことが分かりました。

田辺市周辺で産出する「古谷石(ふるやいし)」の収集家として知られた男性が大切にしていた石を詠んだ短歌で、男性の孫の野口博史(のぐち・ひろし)さん63歳が、自宅の遺品の中から見つけました。

短歌は「とことはの 石を米氏(べいし)が拝したる すがたもやがて 石のとこしへ」という一首です。

題材となった古谷石は人が石を拝む姿に見えます。野口さんによりますと、中国・北宋時代の書画家である米芾(べい・ふつ)が変わった石を見つけると、礼装して拝むほどの石好きだったという故事になぞらえて、祖父の利太郎(りたろう)さんが「米家拝石(べいかはいせき)」と名付けていたということです。

短歌の書かれた短冊には「晶子」の署名があり、歌の簡単な説明も書かれていました。晶子が田辺市に来たという記録はないため、野口さんは東京で利太郎さんが開いた古谷石の展覧会に訪れた際に詠んだのではないかと推測しています。

与謝野晶子の研究家で、日本文芸学会の入江春行(いりえ・はるゆき)常任理事は「筆跡から晶子直筆の短歌と分かった。全集などに掲載がない未発表の作品だ。石と一緒に保管されており、詠まれた経緯や背景が分かる面白い短歌だ」と話しています。