2歳児童虐待死事件の裁判員裁判 被告は全面否認

2014年12月04日 13時28分 ニュース, 事件・事故・裁判

去年(2013年)7月、和歌山市で2歳の長男を虐待して死亡させたとして、傷害致死の罪に問われている父親に対する裁判員裁判の初公判が、がきょう(4日)午前、和歌山地方裁判所で開かれ、被告は起訴事実を全面的に否認し無罪を主張しました。

起訴状によりますと和歌山市神前(こうざき)の無職、原和輝(はら・かずき)被告27歳は、去年(2013年)7月23日の午後8時半ごろから2時間半あまりにわたり自宅で、当時2歳だった長男の星涼(せり)ちゃんの左側頭部などを何らかの形で複数回強打し、外傷性くも膜下出血などで死亡させたとして、傷害致死の罪に問われています。

きょう午前10時から和歌山地裁で開かれた裁判の罪状認否で、原被告は「暴力は振るっていません」と起訴事実を全面的に否認し、無罪を主張しました。

冒頭陳述で検察側は「頭部左側こめかみ付近の怪我が重篤で、単に転倒しただけでは生じないものだった。また、事件当時、自宅にいたのは原被告と星涼ちゃんと次男の3人だけで、暴行を加えることができたのは原被告だけだ」と指摘しました。

これに対し弁護側は「被告はこれまで星涼ちゃんに暴力を加えたことは無く、育児にも参加し、子煩悩な父親だった。事件当時、原被告は入浴させた次男の身体を拭いていて、気配を感じて横を向くと星涼ちゃんが脱衣場の床に倒れそうになっている瞬間で、完全に振り向くまでに脱衣場に星涼ちゃんが倒れた」と述べ、起訴事実について争う姿勢を示しました。

原被告は黒の上下スーツ姿で出廷し、一時は涙を流す場面も見られました

原被告は、2011年11月と12月星涼ちゃんへの傷害容疑で逮捕されましたが、和歌山地検は起訴猶予としました。そして児童相談所は、その後、星涼ちゃんを施設に措置入所させましたが、事件のおよそ2週間前に解除し家庭に帰していました。

この事件について和歌山県の検証委員会は、児童相談所が検察の処分をめぐる情報を十分把握していなかったなどとして、連携不足を指摘していました。また法務省は今年6月、虐待に関する捜査情報を可能な限り、児童相談所に提供するよう全国の検察に通知しています。

この裁判員裁判は、きょうを含めて6回、開かれる予定で、論告求刑を経て、今月15日に判決が言い渡されます。