椿山ダムの濁水訴訟 原告側全面敗訴(写真付)

2015年03月30日 18時54分 ニュース, 事件・事故・裁判

日高川上流の椿山(つばやま)ダムから流れた水のドロが、河口の美浜町三尾の磯に積もって、アワビやナガレコのエサとなる海藻が枯れる磯焼けが発生し水揚げが減ったとして、地元の漁協が和歌山県を相手取って損害賠償などを求めていた裁判で、和歌山地方裁判所の橋本眞一(はしもと・しんいち)裁判長はきょう(30日)、原告側の請求を全面的に退ける判決を言い渡しました。

裁判後、会見を行う原告と弁護団(3月30日 和歌山弁護士会館にて)

裁判後、会見を行う原告と弁護団(3月30日 和歌山弁護士会館にて)

この裁判は、和歌山県が管理する椿山ダムからの濁水が原因で、1990年(平成2年)頃から三尾地区の磯に「磯焼け」現象が起きたために海藻をエサにするアワビやナガレコが餓死し、水揚げ量が20年前のおよそ30分の1にまで減少したとして、美浜町の三尾漁協に所属する漁師ら58人が損害賠償や精神的苦痛などの保障費などあわせておよそ5億7千万円余りを和歌山県に対して支払うよう求めていたものです。橋本裁判長は判決で「ダムが竣工した1988年(昭和63年)3月以前から藻場に関する衰退傾向は徐々に始まっており、三尾沿岸の磯焼けが主にダムの濁水によるものであるとは考え難く、磯焼けとダムの濁水との因果関係は認められない」として原告側の請求を全面的に退けました。

裁判終了後、三尾漁協の村尾敏一(むらお・としかず)組合長は会見で「意外な不当判決でびっくりしている。不当で承服しかねる」と述べました。また村尾組合長は控訴するかどうかについて「組合で話し合って結論を出したい」と述べました。

一方、被告の和歌山県は、尾松智(おまつ・さとし)河川課長が「和歌山県の主張が認められ、妥当な判決と考えています。県としては、今後とも、県民の安全と安心を確保するために、椿山ダムの適切な管理に努めてまいります」とコメントしています。