「南方曼荼羅の風景地」を新たに名勝指定へ

2015年06月19日 18時55分 ニュース, 社会

文化庁の文化審議会は、きょう(19日)世界的な博物学者・南方熊楠(みなかた・くまぐす)が粘菌類(ねんきんるい)の採取や生態学の研究に没頭した、紀南地方の神社や景勝地など13か所を「南方曼荼羅(みなかたまんだら)の風景地」として、新たな名勝に指定するよう文部科学大臣に答申しました。

南方曼荼羅とは、当時の国策だった、神社合祀令(じんじゃごうしれい)に強く反対した熊楠が、のちに高野山真言宗(こうやさん・しんごんしゅう)の管長(かんちょう)となった土宜法龍(どぎ・ほうりゅう)に送った書簡に記した複雑な図のことで、自然界の現象を、生物だけでなく、宗教や人間の精神、民族などとも併せて考え、仏教の曼荼羅になぞらえて説明しています。

今回答申されたのは、この曼荼羅のヒントになった紀南地方の生物の研究地で「南方曼荼羅の風景地」として名勝に指定するよう求めています。

風景地に含まれるのは、田辺市の神島(かしま)や闘鶏(とうけい)神社、天神崎(てんじんざき)、継桜王子(つぎざくらおうじ)など9カ所、上富田町(かみとんだちょう)の八上(やがみ)神社など2カ所、白浜町(しらはまちょう)の金刀比羅(ことひら)神社、それに串本町(くしもとちょう)の九龍島(くろしま)のあわせて13カ所です。

指定されると和歌山県内の名勝は12件となります。

また今回の答申で文化審議会は、史跡「熊野参詣道(くまのさんけいみち)」について、熊野古道・紀伊路(きいじ)を加え、五体王子(ごたいおうじ)に数えられる海南市の藤白王子跡(ふじしろおうじあと)と、上富田町の稲葉根王子跡(いなばねおうじあと)、有田市(ありだし)の糸我峠(いとがとうげ)、田辺市の闘鶏(とうけい)神社など、海南市から新宮市までの24カ所を、新たに追加指定するよう求めたほか、史跡「高野山町石(こうやさんちょういし)」についても、高野町(こうやちょう)の女人道(にょにんみち)や、橋本市(はしもとし)と、九度山町(くどやまちょう)の黒河道(くろこみち)など4カ所を加えて、「高野参詣道(こうやさんけいみち)」と名称を変更することも答申しました。

これで県内の史跡は26件になる見込みです。