総本家駿河屋の菓子木型を考える学習会開催(写真付)

2015年07月25日 21時09分 ニュース, 社会, 経済

去年、経営破たんした後、今年春に再建を果たした総本家駿河屋が保有していた菓子づくり用の木型の価値を考える学習会が、きょう(7/25)、和歌山市で開かれました。

和歌山市手平・和歌山ビッグ愛9階で開かれた学習会

和歌山市手平・和歌山ビッグ愛9階で開かれた学習会

これは、紀州の和菓子と文化を考える会が3回目の学習会として開いたもので、きょう午後1時半から和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開かれた学習会では、和歌山市立博物館の学芸員、山下奈津子(やました・なつこ)さんが「総本家駿河屋木型にみる和歌山」と題して講演しました。

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この中で山下さんは、去年、駿河屋が経営破たんした後、文化財的価値が高いため、博物館で受け入れた駿河屋の菓子の木型が、およそ400組あったことを報告するとともに、紀州を治めた紀州徳川家の中で、も十代藩主・治宝(はるとみ)が菓子を好み、この時期の木型が多く残されていることや、かつて島作兵衛(しま・さくべい)という形師(かたし)がいたこと、それに、江戸時代に菓子のレシピなどを書いた絵手本と呼ばれる書物が11冊残されていることを紹介しました。

また、木型を受け入れた経緯などを話した和歌山市立博物館の高橋克伸(たかはし・かつのぶ)副館長は、数年以内に木型の展示を行う意欲を示しました。

また学習会に参加した、東京の老舗和菓子店・虎屋にある虎屋文庫の研究主幹・今村規子(いまむら・のりこ)さんは「和菓子を後世に残すためには、木型を残すだけでなく、職人の技術も伝承しないといけない」と指摘しました。

また、学習会の前に駿河屋で菓子の木型を見学したという、岡山市の菓子木型彫刻「京屋(きょうや)」の田中一史(たなか・かずし)さんは「菓子の木型は、型にはめた菓子を取り出すときの抜けの良さをよくするため、掘る際の勾配に注意する必要がある。見せてもらった木型は、職人の腕の良さを見て取れるものだった」と話し、江戸時代の職人の業に感心していました。

紀州の和菓子と文化を考える会代表の鈴木裕範(すずき・ひろのり)さんは「菓子の木型を保存しつつ、その技術を伝承していく仕組みづくりが必要で、行政や和菓子店だけでなく、市民も積極的に参加していかなければならない」と強調しました。