県立医大・統合失調症の脳内物質形成不全を世界初のMRI画像化(写真付)

2015年10月19日 11時56分 ニュース, 社会

統合失調症などの治療を研究している和歌山県立医科大学の研究グループは、脳内物質の形成が十分でない状況を世界で初めて、MRI画像で表示することに成功しました。

きょうの記者発表のもよう(10月19日・和歌山県立医科大学)

きょうの記者発表のもよう(10月19日・和歌山県立医科大学)

統合失調症の原因のひとつとして、脳内から神経への情報伝達を促進する働きを持つ「脳内ミエリン」という物質の形成不全と推測されていますが、まだ実証には至っておらず、県立医大生理学第一教室の金桶吉起(かねおけ・よしき)教授と、神経精神医学教室の篠崎和弘(しのさき・かずひろ)教授らの研究グループが、脊椎(せきつい)疾患でのMRI画像の解析技術を応用して、脳の中の神経細胞を覆う「髄鞘」(ずいしょう)と呼ばれる脳内ミエリンの形成不全を表示できないか研究しています。そして、20代から60代の健常者33人と、統合失調症の患者29人の脳をMRIで撮影した結果、脳内ミエリンの形成量が低下しているとされる統合失調症の患者の大脳の部位では、健常者と比べて、年齢に関係なくMRI画像が暗く写ることがわかりました。

金桶教授(中央)と篠崎教授ら(右)

金桶教授(中央)と篠崎教授ら(右)

金桶(かねおけ)教授らの研究グループでは、このことが正確な神経情報伝達に関係しているとして、研究結果が統合失調症の早期発見と治療方法の開発に役立つものとみて、今後は、双極性障害やうつ病など他の精神疾患への応用も視野に入れて、引き続き研究を進めることにしています。