紀の川市の薬師寺に和工生が3Dプリンターで製作の坐像奉納(写真付)

2016年02月19日 19時12分 ニュース, 社会

紀の川市粉河(こかわ)地区の山あいにある龍門山薬師寺(りゅうもんざん・やくしじ)に、きょう(19日)県立和歌山工業高校の生徒らが3Dプリンターを使って製作した薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)が、新しい本尊として奉納されました。

新しい本尊として奉納された3Dプリンター製の薬師如来坐像(2月19日・紀の川市杉原)

新しい本尊として奉納された3Dプリンター製の薬師如来坐像(2月19日・紀の川市杉原)

薬師如来坐像は平安時代後期の作とされる薬師寺の本尊ですが、およそ7年前に住職が亡くなって現在は無人となっていることから、盗難防止のため地元の要望を受けた県立博物館が坐像を保管しています。

しかし、薬師寺は地元住民からの病気平癒の信仰を集めているため、県立博物館が、文化庁の支援を受け、県立和歌山工業高校産業デザイン科と連携して学校の3Dプリンターを使って原寸大の坐像を複製し、新しい本尊として奉納したものです。

僧侶を見つめる和工の生徒ら

僧侶を見つめる和工の生徒と教諭

きょう午前、薬師寺で行われた開眼法要には、和工産業デザイン科の武本征士(たけもと・せいじ)教諭や生徒、県立博物館の大河内智之(おおこうち・ともゆき)学芸員をはじめ、寺の総代・辻義邦(つじ・よしくに)さん74歳ら地元住民も参列し、僧侶が読経して新しい薬師如来坐像に魂を入れ、奉納しました。

坐像に見入る地元の人々

坐像に見入る地元の人々

新しい坐像は、高さおよそ60センチ、重さ1キロで、県立博物館の学芸員らによって本物と同じ色が塗られています。

去年(2015年)の夏から製作に携わった3年の廣谷彩華(ひろたに・あやか)さんは「元の坐像をスキャンする時に、右手の測定や爪の形を整える作業がとても苦労しました」と話していました。

薬師寺総代の辻義邦さん

薬師寺総代の辻義邦さん

総代の辻さんは「なんとかして本尊を作って欲しいという地元の要望に、和工や県立博物館の学芸員が協力して応えてくれて本当に嬉しい」と話していました。