勝浦漁協に再生支援決定 県漁連が事業引受けへ(写真付)

2016年05月17日 21時09分 ニュース

地域経済活性化支援機構はきょう(5/17)、債務超過に陥った那智勝浦町の勝浦漁業協同組合に対する再生支援を決定しました。今後は、那智勝浦町が買い取った市場の施設を、和歌山県漁業共同組合連合会が運営することになり、雇用も守られます。

決定を受け記者会見した関係者ら(和歌山市・県民文化会館6階会議室)

決定を受け記者会見した関係者ら(和歌山市・県民文化会館6階会議室)

勝浦漁業協同組合は、1949年に設立し卸売市場を開設して販売事業などを行いましたが、1970年前後の遠洋まぐろ漁船の大型化に伴って、組合員への貸し付けが拡大した一方、漁の不振や、円高によるマグロ価格の低迷などで組合員の経営が悪化し、倒産や廃業が相次ぎました。

この結果、貸付債権の大半が不良債権化し、去年3月で12億円近くの債務超過に陥ったため、勝浦漁協は、地域経済活性化支援機構に再生の支援を申し込んでいました。

今後は、10月1日をメドに、那智勝浦町が、市場の施設を買い取り所有する一方、県漁協組合連合会が、市場の施設を使った販売事業を引き受け、運営することになります。

勝浦漁協は解散しますが、従業員24人の雇用は継続されるほか、漁業権の管理など、このほかの事業については、新たな漁協を立ち上げ、受け皿とします。

そして、支援機構が、漁協の債権を持つ金融機関などとの調整を行い、一部の債権を買い取るなどします。

きょう午後5時から記者会見した地域経済活性化支援機構の國府利計(こくふ・としかず)執行役員は、「勝浦漁協の卸売市場は、町の中心的な観光資源で、生まぐろのブランド価値も高く、雇用の確保にも貢献している」として、支援する意義を強調しました。

決定内容を説明する國府氏

決定内容を説明する國府氏

また、勝浦漁協の片谷匡(かたたに・ただし)組合長は、「いまある漁協の建て直しをはかるより、生まぐろの市場を早期に活性化させ、発展させる道が最善と判断した」と語りました。

経緯を説明する片谷氏

経緯を説明する片谷氏

一方、市場の運営を引き継ぐことになった県漁連の木下吉雄(きのした・よしお)会長は、「運営主体は変わるが、これまで通り、安心して水揚げしてもらえるよう、環境づくりに努めていく」と話し、施設を買い取る那智勝浦町の寺本眞一(てらもと・しんいち)町長は、「これからも『紀州勝浦産・生まぐろ』のブランドを守っていく」と決意を語りました。

今後を語る木下氏

今後を語る木下氏

決意を語る寺本氏

決意を語る寺本氏

地域経済活性化支援機構による再生支援の決定は、全国で52件目、和歌山県内では初めてで、漁協に対する支援も初めてだということです。