梧陵の機転を再認識、広川町で稲むらの火祭り(写真付)

2016年10月15日 23時31分 ニュース, 防災

江戸時代の安政南海(あんせい・なんかい)地震で津波から逃れる避難路を示そうと暗闇の中で稲(いな)わらに火をつけて村人を高台に誘導し、命を救った濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)の故事を再現する「稲(いな)むらの火祭り」が今夜(15日)、広川町で行われ、町民らおよそ700人が防災の重要性を再認識しました。

役場から神社へ町内を歩くたいまつ行列

役場から神社へ町内を歩くたいまつ行列

「火祭り」は、梧陵の功績を語り継ぎ、町民の防災意識を高めるため、2003年から毎年行われていて、14回目となった今回は、安政南海地震が起きた旧暦の11月5日を「世界津波の日」とすることが去年(2015年)、国連で採択されてから初めての開催となりました。

この日は、夕方4時ごろから、町役場前で、梧陵の功績を伝える「稲むらの火」の物語や歌が、地元の小学生によって披露されたほか、太鼓の演奏や舞踊なども行われました。そして、あたりがすっかり暗くなった午後6時ごろから、火をつけたたいまつを手にするなどした町内外の400人余りが、役場前を出発、高台にある広八幡神社(ひろはちまんじんじゃ)へのおよそ1・7キロを練り歩きました。

故事を再現、燃え盛る稲わら

故事を再現、燃え盛る稲わら

神社近くの田んぼでは、初めて夫妻で祭りに参加したという梧陵の玄孫(やしゃご)で、千葉県銚子市(ちょうしし)にある醤油メーカー「ヤマサ醤油」社長の濱口道雄(はまぐち・みちお)さん73歳らが、故事を再現して、稲わらに火をつけると、瞬く間に赤々とした大きな炎となり、村人に危険を知らせるために行った梧陵の機転の有効性が改めて認識されました。

たいまつを手に広八幡神社に到着した濱口夫妻

たいまつを手に広八幡神社に到着した濱口夫妻

濱口さんは、「避難方法を知っているかどうかで、津波の被害は大きく変わる。津波の日制定を機に、避難の大切さを説き、実践した梧陵の思いが、世界中に広まってくれれば」と話しました。

たいまつ行列が到着した神社では、「平安の舞」の奉納や、炊き出し訓練を兼ねて調理されたカレーが振る舞われました。

かがり火の中、広八幡神社で「平安の舞」奉納

かがり火の中、広八幡神社で「平安の舞」奉納

広川町では、「世界津波の日」となった来月(11月)5日に、114年間続く「津浪祭(つなみまつり)」も行われます。