県立医大法医学教授・児童虐待防止に「法医学の活用を」(写真付)

2016年10月28日 19時43分 ニュース, 社会

和歌山県立医科大学・法医学講座の教授で法医学者の近藤稔和(こんどう・としかず)さん48歳は、児童虐待の早期発見と防止につなげるため、法医学の積極的な活用を訴えています。

児童虐待防止に法医学の活用を訴える近藤教授(10月28日・和歌山県立医科大学)

神戸市出身の近藤さんは、金沢大学医学部を卒業後、県立医科大学・法医学講座の教授となり、事件性のある遺体の司法解剖など、県の内外を問わず法医学の現場で活躍しています。

県内では、児童虐待の件数が増加傾向にあり、近年では幼児の死亡事件も起こるなど、虐待の防止に向けた行政の早急な対応が求められています。

このような状況を受け県の児童相談所は、児童虐待が疑われる事案を判断する助言役として、去年(2015年)から医大の法医学講座に協力を依頼し、ことし(2016年)7月までに、腕の骨折や背中のあざなど、あわせて9件の事案をすべて近藤さんが診断し、積極的な保護につながったケースもあります。

近藤教授

近藤さんは、法医学が発達しているドイツでの留学経験をふりかえり「日本で法医学は司法解剖専門と受け取られがち。ドイツの法医学研究所では、生きている子どもの虐待診断やケアの体制が整備されていて、法医学が支える考えが浸透している」と指摘します。

その上で、近藤さんが県内唯一の助言役となっている現状を受け「和歌山でも法医学の積極的な関与を児童虐待の防止につなげるべき。小児科などの臨床医にも積極的にアプローチして欲しい」と述べ、医療や行政などの更なる連携強化を強く訴えました。