県文化財センターの専門家が、文化財修復にネパールへ派遣

2017年02月04日 17時26分 ニュース

おととし(2015年)の大地震で貴重な文化財が多数倒壊したネパールに、文化財修復を専門とする和歌山県文化財センターの専門家が派遣されていて、忠実に復元する「日本式」での復興に意欲を見せています。

ネパールに派遣されているのは、和歌山県文化財センターの多井忠嗣(たい・ただつぐ)さん50歳です。

多井さんは、2011年の紀伊半島大水害で被害を受けた熊野那智大社の復旧などで活躍し、ネパール地震後の2015年11月、文化庁の調査でネパールを訪れています。その際、多井さんは「図面は未整備で、修理は職人の勘で行われている。数百年前の貴重な木材が補強材で別の場所に使われている」と、修復作業の実態に驚きを隠せなかったようです。

ネパールの伝統建築は、木材で骨組みを作る日本の城郭建築と似ていて、多井さんは「木材やレンガなど、合わせて数万点を分析し、大工が残した目印などから、昔の組み立て方法を読み取っています」と話しています。

多井さんの派遣は、JICA(ジャイカ)国際協力機構の下で行われていますが、ネパール復興局への外国人派遣は極めて異例で、今回はネパール考古局の6人の職員とともに、時代や材質ごとに詳細な復元図を作る「日本式」で修復に取り組みます。また同様の修復作業に取り組んでいる中国やアメリカなどと違い、技術伝達を主眼に置くとともに、地震国・日本の知識や経験を活かした耐震補強にも取り組めるか検討を続けます。

多井さんは「鉄骨補強など安易なやり方をせずに、往事の姿に近づけたいと」意気込んでいます。