懲役16年の判決 紀の川市小5男児殺害事件(写真付)

2017年03月28日 19時32分 ニュース, 事件・事故・裁判

おととし2月、紀の川市で、小学5年生の森田都史(もりた・とし)君が刃物で刺されて殺害された事件で、殺人などの罪に問われた近くに住む無職、中村桜洲(なかむら・おうしゅう)被告24歳に対する裁判員裁判の判決公判が、きょう(28日)和歌山地方裁判所で開かれ、浅見健次郎(あさみ・けんじろう)裁判長は、懲役25年の求刑に対し、懲役16年の判決を言い渡しました。

中央奥が浅見健次郎裁判長(共同通信による代表撮影)

判決によりますと、中村被告は、おととし2月5日、紀の川市後田(しれだ)の空き地で、近くに住む森田都史くん当時11歳をナタのような刃物で胸などを刺して殺害しました。

浅見裁判長は判決で、被告が事件当時、森田くんに襲われるかもしれないという被害妄想の影響で心神耗弱状態だったと認定する一方、「妄想の影響は限定的で、心神耗弱状態で刃物を使った殺人事件の中でも極めて悪質な部類と言える」と述べました。そして、「中村被告には前科前歴がなく、父親が被害者の遺族に対し1千万円の被害弁償を用意するなど、酌むべき事情はある」としながらも、「犯行後に凶器を洗うなど証拠を隠滅しようとしたり、公判では、責任を逃れようとして、2度にわたって犯行を否認し、反省の弁も心からなされたものとは到底言えず、人命を奪ったことの重大性を、いまだに理解していないとみられる」と非難し、懲役25年の求刑に対し、懲役16年の判決を言い渡しました。

判決後中村被告の弁護人は、控訴するかどうかについて「被告人と相談して決める」とだけ述べ、検察側も、「判決内容を精査して今後の対応を検討する」と語りました。

公判で中村被告は、2度にわたり罪状認否を否認して裁判を混乱させましたが、結局殺害を認め、公判は量刑が主な争点になりました。

都史くんの父親は、公判中の意見陳述で「極刑を望む」としていましたが、求刑を大きく下回る判決に「予想外で無念。とても都史君に報告できない」と絞り出すように話しました。また、判決理由が読み上げられる間、体を揺する中村被告に「反省の色もない」と憤りをあらわにしていました。