世界遺産での「おもてなし」向上へ 和県などがインド支援

2017年05月01日 18時34分 ニュース, 社会

インド西部の壮麗な仏教遺跡で世界遺産の「アジャンタ石窟」の観光促進のため、和歌山県などが、地元職員の「おもてなし」強化に取り組んでいます。

インドは、35か所の世界遺産を誇りますが、かつての社会主義的政策の名残で観光客への配慮が見えにくいのが悩みの種で、日本での研修を実施するなどしています。

こうした中で、アジャンタのあるマハラシュトラ洲と交流がある和歌山県が、国際協力機構・JICA(ジャイカ)の協力を得ておととし2015年から「おもてなし」の強化を支援しています。

現地にある和歌山県のアウランガバード事務所では、平井秀和(ひらい・ひでかず)所長らが、アジャンタ石窟の案内施設「ビジターセンター」で働く職員らおよそ40人に、「笑顔、あいさつ、身だしなみ」と書かれた注意カードを配っているほか、センターの場所や役割を知らせる看板を増やし、観光客への周知をはかっています。

4年前に開館したビジターセンターでは、およそ30か所の石窟の一部が実物大で再現されていて、壁画や彫刻の詳細を学べる施設となっていますが、職員に接客経験がなく、トイレは壊れたまま放置され、開館から1年を過ぎても、遺跡を訪れる観光客の1割から2割ほどしか訪れていませんでした。

和歌山県では、県内の世界遺産である高野山や白浜町の温泉に、センターの職員や地元ガイドのインド人を招く研修も行っていて、去年、研修に参加したガイドのマヤ・ナラサプルさん44歳は、「日本では雨が降れば、旅館が傘を用意してくれる。気配りを感じた」と話しました。

この春からは、地元の中学生らを招き、センターを郷土学習の場として活用する計画で、平井所長は、「持続可能な観光地とするため、地域の力で保全してもらいたい」と期待しています。