手引き案を了承 事前復興計画策定研究会(写真付)

2017年11月21日 19時21分 ニュース, 社会, 防災

南海トラフ巨大地震からの復興計画を事前に策定するための研究会の会合が、きのう(11/20)午後、和歌山県庁の南別館で開かれ、最終的な手引きの案が了承されました。

この研究会は、南海トラフ巨大地震からの復興計画をあらかじめ策定しておくことで、市町村の速やかな復興につなげようと、和歌山県の呼びかけで発足したもので、国土計画や都市計画が専門で、筑波大学の石田東生(いしだ・はるお)名誉教授ら4人が委員となり、仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事や県内の市町村長らも参加しています。

第4回となったきのうの会合では、復興計画事前策定の最終的な案が検討され、事務局から、和歌山県には、最短で津波発生から3分後に1メートルの津波が押し寄せることや、役場や警察、消防など28の施設が、浸水する地域にあることなどが紹介されました。

そして、津波の浸水を防ぐ方法として、盛り土を利用した道路や堤防などによる多重防御と、高台などへの移転、それに嵩上げをそれぞれ行ったり、組み合わせたりしたパターンを説明し、さらに県内にある自治体の状況を踏まえた具体的なイメージ図も紹介されました。

会合では、委員から、手引きの理解を進めるためのモデル地区の選定や、計画策定に住民が参加するためのワークショップの実施などを求める声が出たほか、自治体の首長からは、「これまであまりわからなかった計画の必要性を強く感じたので、他の市町村に負けないよう取り組みたい」といった意見が出され、事務局が用意した案を了承しました。

県では、今後、手引きを作成して県内の市町村に配布し、それぞれの自治体で地震や津波に備えた復興計画を来年度中に策定するよう促すことにしています。

検討会の座長を務めた筑波大学の石田名誉教授は、最終的な案について、「当初、県が想定していたものとは違って2つの大きな要素が付け加わった」として「産業をどうするか」、「復旧だけでなく良い街を作ろうという視点」の2つを指摘した上で、「ガイドラインとしては、いいものができたが、合意形成のあり方や、まちの将来を考える機運をどう巻き起こしていくか、など、具体的なプロセスも県にフォローしてもらいたい」と注文をつけました。そして、「そうしたことが実現すれば、全国の、あるいは、世界の手本になっていけるだけの内容だと思う」と話しました。