ADHD合併自閉症の新しいメカニズム・医大教授らマウスで解明(写真付)

2018年01月31日 19時08分 ニュース, 社会

治療が難しいとされる、自閉症と注意欠如・多動性障害「ADHD」の合併症状の解析を進めている和歌山県立医科大学などの研究グループは、脳の神経細胞「シナプス」の中の遺伝子の異常が原因である可能性が高いことを、マウスを使った実験で解明しました。

森川教授の発表(1月31日・和歌山県立医大)

コミュニケーションの不調や不注意などで日常生活に支障をおこす自閉症とADHDは合併して発症するケースが多く、合併すると症状が重くなったり、ADHD単独の場合よりも薬物治療の効果が低く、副作用もあって治療が困難とされていて、主に子どもの発症が多くなっています。

県立医大・解剖学第2講座の森川吉博(もりかわ・よしひろ)教授らによる研究グループは、2010年から自閉症とADHD合併症の解明について研究していて、この中で、マウスの脳内の神経物質「シナプス」の中にある「キーレル3(スリー)」という遺伝子に異常のあることがわかりました。

研究グループでは、人工的にキーレル3の異常を持ったマウスを作ってさらに実験したところ、通常のマウスと比べて、人間の声にあたる超音波の発声回数や立ち上がったり移動したりする回数などがいずれも多くなったほか、聴覚も過敏になるなど、合併症を起こした人間と同じような傾向が見られたということです。

森川教授らは、この研究成果についてウェブサイト「サイエンティフィックリポーツ」で公表し、今後も研究を続けることにしています。