石ノ森章太郎デビュー前の同人誌を紀美野町の男性が保存・石森プロが確認(写真付)

2018年02月09日 20時17分 ニュース, 社会

「仮面ライダー」や「サイボーグ009(ゼロゼロナイン)」などを遺した漫画家・石ノ森章太郎(いしのもり・しょうたろう)のチーフアシスタントを務めていた紀美野町(きみのちょう)の男性が、石ノ森がプロデビュー前に作った同人誌を自宅に保存しているのが見つかり、きょう(9日)東京の石森(いしのもり)プロのスタッフが本物であることを確認しました。

見つかった「墨汁一滴・第4編」を確認する石森プロの亀岡さん(2月9日・和歌山市古屋)

見つかった同人誌は、石ノ森が故郷の宮城県立佐沼(さぬま)高校在学中に、当時の漫画雑誌の投稿仲間らと描き寄せた同人誌「墨汁一滴(ぼくじゅういってき)」の第4編です。

高校時代の石ノ森が描いた擬人化した動物の絵

内容は、石ノ森による野生動物をコミカルに擬人化した絵や、「天才バカボン」や「おそ松くん」を世に出す前の赤塚不二夫(あかつか・ふじお)による友情をテーマにした漫画などが綴られていて、はじめは仲間うちで回覧されていましたが、のちに編集者や出版社にも渡って、「鉄腕アトム」の手塚治虫(てづか・おさむ)の目にとまり、石ノ森が手塚のアシスタントを経て、プロデビューするきっかけとなりました。

赤塚不二夫の漫画

全10編まで作られた「墨汁一滴」は石森プロが所蔵し、第4編だけが見つかっていませんでしたが、去年(2017年)12月、石ノ森の原画展を開く準備をしていた紀美野町の大瀬克幸(おおせ・かつゆき)さん69歳が、自宅に保管していた原画などとともに「墨汁一滴」の第4編があるのを見つけ石森プロに伝えたところ、きょう午後、石森プロ・ライセンス部の亀岡雅規(かめおか・まさのり)さんが和歌山市を訪れ、原本を確認しました。

大瀬さん(左)と亀岡さん(右)

亀岡さんは「確かに本物です。保存状態も良い。ことし(2018年)は石ノ森の生誕80年と手塚の生誕90年の大きな節目で、すばらしい発見です」と驚いた様子で話し、今後、全国で展示や閲覧などができるよう準備を行う考えを示しました。

大瀬さんは「先生から捨てておいてと言われたものからこんな貴重な資料が見つかり、驚いています。躍動感のある生きた線を描く石ノ森先生のルーツを知る、大切な宝物です」と話しています。

見つかった「墨汁一滴」第4編の写真パネルを含む石ノ森章太郎の原画展は、今月(2月)28日まで、和歌山市古屋(こや)の「ティーズカフェ」で開かれています。入場は無料です。