「杉野原の御田舞」 雪舞う中、親子三代で最後の奉納(写真付)

2018年02月16日 23時06分 ニュース, 社会

有田川町に伝わる国の重要無形民俗文化財、「杉野原の御田舞(おんだのまい)」の最後の奉納が今(2)月11日、地元の寺で行われました。

2018年2月11日 有田川町・雨錫寺で

杉野原の御田舞は、中世から、有田川町・杉野原地区にある雨錫寺(うじょうじ)の阿弥陀堂(あみだどう)で、田おこしから籾摺りまで農作業の過程を、歌や踊りでまねて演じ、その年の農作物の豊作を祈願する伝統行事です。

もとは毎年2月11日に杉野原地区の人たちだけで奉納されていましたが、昭和52年、1977年から2年に一度の開催となり、その後、さらに過疎と高齢化で担い手が不足し、他の地域から人手を借りて行ってきました。しかし、今後は、それでも開催が難しいと判断し、保存会が、今回を最後とすることを決めました。

11日の奉納は、雪が激しく舞う、凍てつく寒さの中で行われ、演じ手は、白い息を吐きながら、踊り歌い、太鼓をたたいていました。

雪が舞う雨錫寺の阿弥陀堂

また、舞に先立って、ふんどし姿の男たちが、囲炉裏のような大きな火鉢の周りで円陣を組み、謡囃子(うたいばやし)にあわせて押し合う「裸苗押(はだかなえお)し」も披露されました。

裸苗押しの様子

杉野原御田の舞保存会の松浦金三(まつうら・きんぞう)会長は、「これだけ賑やかな御田舞は、これが最後です。終わってみると、続けたいという気持ちはありますが、もともとは、小さな地域で自分たちが楽しむものだったので、そうした形を含めて、保存会として、いつでも復活できるように残していきたい」と話しました。

ところで、御田舞で、主役の舅(しゅうと)役を演じた白藤久明(しらふじ・ひさあき)さん37歳は、田植えをする子ども役で登場した長男で小学4年の爽真(そうま)くん10歳と、最後の舞台で、初めて共演しました。

白藤さん

白藤さんは、「自分も経験した田植子(たうえこ)を息子がやるとは思っていませんでしたが、競演できてよかったです。伝統的な行事なので、後継者がいるなら伝え残していきたい」と話しました。

親子”競演”

一方、爽真くんは、「お父さんと競演できてすごくうれしい。終わってしまうのは、ちょっと悲しいし、伝統的な行事だと思うので、将来もやりたい」と話していました。

白藤さんと爽真くん(右)

最後の舞には、白藤さんの父、勝俊(かつとし)さん62歳も、謡い手として参加し、親子三代での出演となりました。