地震津波シンポジウム 和歌山市で開催(写真付)

2018年03月24日 20時00分 ニュース, 社会, 防災

東日本大震災の被害の実態や最新の地震研究を紹介する「地震津波シンポジウム」が、きょう(3/24)、和歌山市の和歌山県民文化会館・小ホールで開かれ、地震の専門家や東日本大震災の被災者が講演しました。

シンポジウムの様子(県民文化会館・小ホール)

これは、東北大学総合学術博物館が、近い将来、発生が予想される南海トラフ巨大地震で被害が懸念される地域の大学と共同で開いているもので、今回は、和歌山大学とともに開催しました。

シンポジウムでは、減災科学が専門で香川大学 四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構の副機構長をつとめる金田義行(かねだ・よしゆき)さんが「南海トラフ地震への備え~県民の心構えと減災~」と題して基調講演しました。

講演する金田さん

この中で、金田さんは、30センチの津波で簡単に人が流されてしまう様子や、津波が河川をさかのぼるシュミレーションを動画で紹介しながら、「河川は津波にとって高速道路のようなもの。津波を防波堤で止めるのは難しいので、いち早く情報をとらえて逃げることが大事」と述べました。

そして、日向灘地震や紀伊半島沖地震の発生が、南海トラフ巨大地震を誘発する可能性を指摘し、「固定観念にとらわれず、創造力を持って防災対策を講じる必要がある」と強調しました。

また、元・宮城県漁業協同組合常務理事の芳賀長恒(はが・ちょうこう)さんが「東日本大震災2011.3.11~あの瞬間(とき)を忘れない~」と題して講演し、妻の兄夫婦が津波に流された体験から、「津波が大切な命を奪うものだと実感した」と語りました。

講演する芳賀さん

そして、「震災前に生まれた子どもたちや、災害を経験したことのない地域の人たちに、被災地の経験を教訓に、記憶を記録にして語り継ぐことが大切だ」と語りました。

このあと、金田さんや芳賀さんらを交えて南海トラフ巨大地震への備えを考えるパネルディスカッションも行われ、訪れたおよそ300人の市民らが熱心に聞き入っていました。

パネルディスカッションも行われた

また県民文化会館では、シンポジウムにあわせて、最新の防災研究や災害対策を紹介する展示会も開かれました。

この中で、東日本大震災で被災した地域や施設の様子を立体映像で記録する東北大学総合学術博物館の「3次元デジタルアーカイブ」や、新聞紙を使った簡易トイレの作り方、和歌山大学が発案した簡易椅子と段ボールによる避難所用パーテーションなどを体験できるブースが設けられ、関心を集めていました。

被災の状況を体感できる「3次元デジタルアーカイブ」