県立医大と京大・iPSで中條・西村症候群の病態解明

2018年05月04日 19時14分 ニュース, 社会

和歌山県立医科大学と、京都大学iPS細胞研究所などの研究チームは、iPS細胞と遺伝子情報(ゲノム)の編集技術を用いて、難病に指定されている「中條・西村症候群(なかじょう・にしむらしょうこうぐん)」の病態を再現し、メカニズムの一端を解明したと発表しました。

中條・西村症候群は、子どもの頃から発熱や赤い発疹などを繰り返し、徐々に顔や腕の脂肪や筋肉がやせていくのが特徴で、生まれてすぐに発症し、手の指が固まったり、30代から40代で死亡することもある一方で有効な治療法はなく、難病に指定されています。

和歌山県や大阪の泉南地域、東北・関東など、全国でこれまでに30例ほどの報告があり、1939年に東北帝国大学皮膚泌尿器科の中條敦(なかじょう・あつし)氏と、1950年に和歌山県立医科大学皮膚泌尿器科の西村長應(にしむら・ちょうおう)氏が報告したことが病名の由来になっています。

県立医大・皮膚科学講座の金澤伸雄(かなざわ・のぶお)准教授と京大の齋藤潤(さいとう・めぐむ)准教授らの研究グループは、患者と健常者双方の皮膚細胞から作ったiPS細胞とゲノム編集技術を使って、人工的に中條・西村症候群を発症する細胞の作成に成功しました。

細胞の中を調べたところ、過剰な活性酸素が含まれていて、炎症を起こしていることがわかったということです。

研究グループでは「細胞に異常な炎症をおこすメカニズムの一端が明らかになったことで、治療法の開発が一層進むと期待される」と話しています。