「下津蔵出しみかんシステム」日本農業遺産へ協議会設立(写真付)

2018年05月24日 20時09分 ニュース, 社会, 経済

海南市・下津地域特産の「蔵出しみかん」を生産する農業システムの日本農業遺産への認定を目指す協議会が設置されることになり、きょう(24日)海南市役所で設立総会が開かれました。

「下津蔵出しみかん」は、12月下旬に収穫して木造や土壁の蔵で熟成させたあと、2月から3月にかけて出荷する晩生(おくて)の温州みかんで、通常のみかんより糖度が高く甘味と酸味のバランスが良いのが特徴です。みかんは、急傾斜地に築かれた石垣の段々畑で栽培され、地域では農家が安定した収入を得るための仕組みや、さまざまな関連祭事、生物多様性や独特の景観などがおよそ400年にわたって受け継がれています。

協議会は、この「蔵出しみかん」を中心とする農業システムの「日本農業遺産」への認定とブランド力の向上を目指すもので、県や海南市、地元JAの関係者、それに農業や環境、文化継承の専門家らおよそ30人で構成されています。

きょう午後、海南市役所で開かれた設立総会では、はじめに、会長を務める海南市の神出政巳(じんで・まさみ)市長が「受け継がれてきた伝統的な農法や文化、優れた景観や生物多様性を保全・活用し次の世代に伝えていかなければならない」と挨拶しました。

挨拶する神出市長

また、協議会のメンバーで和歌山大学システム工学部の養父志乃夫(やぶ・しのぶ)教授が「下津蔵出しみかんシステム」の仕組みや特徴について解説し、「自然と共存しながら集落の絆でつくられたもので、世界中に誇れるシステムだ」と期待を込めました。

養父教授

協議会は、来月(6月)、農林水産大臣に認定申請書を提出し、来年(2019年)2月の認定を目指して周知活動などに取り組むということです。

おととし(2016年)創設された「日本農業遺産」には、現在、7つの県の8つの地域が認定されていて、ことしは2年に1度の認定申請の年にあたります。県内では「みなべ・田辺の梅システム」が2015年に「世界農業遺産」に認定されています。