津本陽さん死去 5月26日・89歳で(写真付)

2018年05月28日 20時54分 ニュース, 社会

「下天は夢か」などの歴史小説で知られる和歌山市出身の直木賞作家、津本陽(つもと・よう)さんがおととい(5/26)、誤嚥(ごえん)性肺炎のため、東京都内の病院で亡くなりました。89歳でした。

信長を語る津本氏(2009年9月29日 第81回和放情懇で)

津本さんは、東北大学法学部を卒業後、10年以上の会社員生活を経て同人誌で作家活動を始め、1978年、和歌山で捕鯨に携わる漁師を描いた「深重(じんじゅう)の海」で直木賞を受賞しました。

その後も戦国武将や幕末の英傑などを描いた歴史小説を中心に、膨大な作品を発表し続け、織田信長が主人公の「下天は夢か」は、ベストセラーとなりました。

また、豊臣秀吉の波瀾に満ちた生涯を描いた「夢のまた夢」で、1995年に吉川英治(よしかわ・えいじ)文学賞を受賞したほか、紫綬褒章(しじゅほうしょう)や旭日小綬章(きょくじつしょうじゅしょう)も受章しました。

2005年には、旺盛な作家活動を評価され、菊地寛(きくち・かん)賞が贈られたほか、2006年まで直木賞の審査員も務めました。

2009年9月に開かれた第81回和歌山放送・情報懇談会の鼎談で、津本さんは、織田信長の功績について「武田信玄も上杉謙信も略奪や暴行をしないと、兵隊を統率できなかったが、信長は、一銭を盗んだ者を自ら切ったとされる一銭切りのエピソードにもあるように、徹底した統率力で、略奪や暴行を禁じていたため、すんなり京都に入ることができた。これは、先祖に神官を持つ信長が、先祖代々の倫理観を持っていたからではないか」と指摘しました。

葬儀・告別式は、妻の初子(はつこ)さんが喪主となり、近親者で行うということで、後日、お別れの会が開かれる予定です。