田辺市稲成町の斜面・専門家が地滑りと確認(写真付)

2018年06月27日 20時06分 ニュース, 政治, 社会, 防災

大雨の影響で地滑りの危険性が高まり、住民に避難指示が出ている田辺市稲成町(いなりちょう)の現場を、きょう(27日)土砂災害の専門家2人が訪れて調査し、地滑りの発生を確認しました。

斜面を視察する専門家ら(6月27日・田辺市稲成町・※和歌山県提供)

現場の斜面では、今月(6月)20日の大雨の翌日となる21日に、地区内にある「むつみ第3公園」の地表や、斜面上の住宅の土台などで段差や亀裂が確認されました。

田辺市は地滑りの危険性が高まっているとして、22日に斜面周辺の13世帯27人に避難勧告を出し、段差が広がった23日には避難指示に切り替えました。

併せて、土砂の動きを観測する伸縮計を設置したほか、地下の水を抜くためのボーリング工事などを行うとともに、和歌山県を通じて国に土砂災害の専門家の派遣を要請しました。

きょう午前8時からおよそ2時間にわたって、国立研究開発法人・土木研究所の藤平大(とうへい・まさる)上席研究員と国土技術政策総合研究所の村田郁央(むらた・いくお)研究官が、現地で斜面や亀裂の様子を調査しました。

地区の住民は、現在、親類の家などで避難生活を送っていて、地区の周辺に住む男性は「宅地造成されて50年くらいになるが、このような事態は聞いたことが無い」と話していました。

現地の模様を説明する藤平上席研究員(右)ら(6月27日・田辺市役所)

午前11時に田辺市役所で開かれた記者会見で、藤平(とうへい)上席研究員は「斜面上にあるむつみ第3公園の敷地の幅およそ25メートル位の地盤で高さおよそ3メートルの地滑りを確認した。そこから更に南南東側と西北西側にかけて尾根が崩落する危険性が高く、いまも1時間に20ミリほど地盤が動いていると考えられる。今後、大雨が降る前に土壌の地下水を抜いて地盤の動きを食い止める応急作業が重要で、斜面上と斜面下の亀裂の拡がりも注視しなければならない」と説明しました。

田辺市の真砂充敏(まなご・みつとし)市長は「市民の安全を第一に、復旧作業を進めたい」と話しています。

現場を含む一帯は、去年(2017年)8月、県から土砂災害警戒区域に指定されています。