串本町田原に日本初の民間小型ロケット発射場建設へ(写真付)

2019年03月26日 21時00分 ニュース, 政治, 社会, 経済

東京に本社のある小型ロケット宇宙輸送サービス会社「スペースワン株式会社」は、きょう(26日)串本町田原(くしもとちょう・たわら)地区に小型ロケットの打ち上げ射場を建設すると発表しました。和歌山県の誘致に応えたもので、開発が認可されれば日本の民間企業で初のロケット発射場となり、小型衛星の発射や宇宙輸送事業の拠点としての役割が期待されます。

打ち上げられる小型ロケットのイメージ図(※スペースワン社提供)

スペースワンは、キヤノン電子とIHIエアロスペース、清水建設、それに日本政策投資銀行の共同出資で発足した株式会社で、2017年、国内の小型ロケット発射場の建設を47都道府県に呼びかけて検討した結果、南側に陸地や島が無く半径1キロ圏内が無人で、ロケット資機材などの輸送コストが低いなど、串本町田原の荒船(あらふね)海岸が最も適しているとして、建設予定地に決定しました。

整備は、土地の取得や造成、関連する融資などを県が支援する「わかやま版PFI制度」を活用して行われ、今後、地権者との交渉を経て年内に工事に着工し、2021年度の運用開始を目指します。

進出協定書に調印した4人(※左から堀那智勝浦町長・仁坂知事・太田社長・田嶋串本町長・3月26日・和歌山県庁正庁)

きょう午後、和歌山県庁の正庁(せいちょう)で、スペースワンの太田信一郎(おおた・しんいちろう)社長と、仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事、串本町の田嶋勝正(たしま・かつまさ)町長、それに、隣接する那智勝浦町(なちかつうらちょう)の堀順一郎(ほり・じゅんいちろう)町長の4人が進出協定書に調印しました。

太田社長は「小型衛星を小型ロケットで直接打ち上げる手段が確保されることで、地球観測や通信のニーズが益々高まれば、農林業や防災などの分野に大いに役立つだろう」と展望を語りました。

仁坂知事は「夢のような話が和歌山で展開されることにワクワクしている。宇宙ビジネスの拠点として多くの人材や投資が和歌山に集まるだろう」と期待を寄せるとともに、ロケット打ち上げ見物が新たな観光資源になるという見解を示しました。

串本町の田嶋町長と那智勝浦町の堀町長も「大いに歓迎し、今後の活用方法を真剣に検討したい」とあいさつしました。

小型ロケットは、全長およそ18メートル、重さおよそ23トンの固体燃料3段式で、これに重さおよそ150キロの人工衛星を搭載します。スペースワンは、2020年代半ばには年間20機の打ち上げを目標にしています。

また県は、小型ロケット発射場が県にもたらす経済効果について、10年間で670億円程度になると試算しています。