和工生が仏像3Dスキャン作業を一般に初公開(写真・動画付)

2019年05月31日 19時18分 ニュース, 政治, 社会

和歌山市の県立和歌山工業高校が、県立博物館や和歌山大学教育学部などの協力で取組んでいる、3Dプリンターを使った仏像の複製作業が、きょう(31日)初めて一般に公開されました。

仏像をスキャンする和工生ら(5月31日・和歌山県立博物館)

この取り組みは、文化庁の文化財保護事業の一環として、2012年度から県立博物館と県立和歌山工業高校、それに和歌山大学教育学部が連携して行われているものです。

高齢化や過疎が進み盗難被害に遭うおそれのある寺社を中心に、貴重な仏像などを3Dデーターにスキャンし、和歌山工業高校が所有する3Dプリンターで精巧な複製品を作って、それを「お身代わり仏像」として納める活動は、昨年度(2018年度)までに県内で13カ所・26体の仏像に対して行われています。

きょう午後、和歌山市吹上の県立博物館で、仏像をスキャンする作業が初めて一般に公開され、和歌山工業高校産業デザイン科の3年生が、九度山町(くどやまちょう)の槙尾山明神社(まきおさんみょうじんしゃ)に伝わる、高さ18・6センチの「白鬚明神坐像(しらひげみょうじんざぞう)」を3Dスキャン装置で読み取って、データをパソコンに取り込みました。

スキャンされた「白鬚明神坐像」

坐像は平安時代後期に作られたとされ、見学に訪れた九度山町出身の60代の女性は「驚きました。こういう貴重な物は大切に遺さなければいけないので、皆さんの取組みはとても有難い」と話していました。

パソコンへの取り込み作業を担当した産業デザイン科3年の保富日向(ほとみ・ひなと)さんは「喜んでもらえてとても嬉しいです。将来はデザイン関連の仕事に就きたいので、この経験を活かせれば」と話しています。

大河内智之学芸員

県立博物館の大河内智之(おおこうち・ともゆき)主任学芸員は「この取組みが文化財保護や地域の防犯に貢献できていることは大変意義深いが、まだまだ取組めていない仏像も沢山ある。この先、文化庁の事業から離れたとしても、県の重要な取組みとして、末永く続けていけるよう引き続き努力したい」と話しています。