巨大地震に備え空き家対策、那智勝浦町

2019年06月30日 18時57分 ニュース, 政治, 防災

南海トラフ巨大地震で、津波の襲来が予想される那智勝浦町では、被害を軽減しようと、長期間放置された危険な廃屋(はいおく)を近く解体するなど、対策を本格化させています。

太平洋に面した那智勝浦町宇久井(うぐい)地区の住宅街にある1軒の空き家について、町は、およそ90万円の費用を負担し、今年夏にも解体することを決めました。この空き家は、10年以上前から誰も住んでおらず、屋根には穴があき、外壁が朽ち始めていて、去年(2018年)の台風で窓ガラスが割れ、周辺住宅に破片が飛び散りました。近所の住人は「放置が続けば、何が起きるかわからない」と不安を募らせていました。

このため町では、登記簿や固定資産税の記録から所有者を探しましたが、本人の消息や親族の存在も確認できず、5月に空き家対策特別措置法に基づく略式代執行で、解体することを決めたものです。

宇久井地区は、南海トラフ地震発生から、およそ10分で津波が押し寄せると予想される地域で、町では「倒壊した空き家に道をふさがれ、住民が避難できなくなる可能性があるとして、対応を急いだ」と話しています。

町内には、倒壊の恐れがある空き家がほかに4軒あり、解体対象となる家屋は、今後増えると見込まれていますが、数人の職員で、所有者捜しや解体に向けた交渉などを担うとともに、厳しい財政状況の中で、費用を確保するのも難しい現状があり、担当の職員は、「対策のためには、国の手厚い支援が不可欠」と訴えています。