メガソーラー計画が法廷闘争へ 業者が県市を提訴

2019年08月28日 19時03分 ニュース, 事件・事故・裁判, 社会

和歌山市北部のメガソーラー建設計画を巡って、開発許可の審査を不当に放棄したなどとして、三重県鈴鹿市(すずかし)の業者が和歌山県と和歌山市を相手取って、和歌山地方裁判所に民事訴訟を起こしたことがわかりました。

訴えを起こしたのは、和歌山市六十谷と直川、園部でメガソーラーの建設を計画している三重県鈴鹿市の「サクシード和歌山」です。

サクシード和歌山は、林地開発と、和歌山市が管理する里道(りどう)や水路などの工事の許可を求めて県と市に申請していて、訴状では、「県と市は、一部の近隣住民らによる施設の設置を阻止する運動に加担し、『すべての近隣自治会や水利組合などからの同意書がないと、申請に対する処分を行わない』という姿勢を取り続けている。森林法などの法的根拠のない違法行為で、審査を放棄している」などとして開発許可を出すよう求めています。

これについて、和歌山県の仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事はきのう(8/27)の定例記者会見で「自分の都合で早く審査をせよ、手続きは決まっているのにグズグズやっているのは、けしからんという主張は無茶苦茶だ。我々は何故これで文句があるのかというぐらいにきちっとしている。訴訟では、完膚(かんぷ)なきまでに叩き潰さなければならない」と述べ、争う姿勢を明確にしました。

また、和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長は、コメントを発表し「和歌山市が処分を行わないことが違法であるとの訴えだが、許可申請が提出されて以来、事業者に対しては、真摯に対応を続けているにもかかわらず、このような訴えに至ったことは、大変心外である。和歌山市においては、太陽光に関する条例に基づき判断していくこととしており、何ら違法性はないと考えている。このため、相手方の訴えに対しては、徹底して争っていく」として、今後、裁判で全面的に争う考えを示しました。

ところで、サクシード和歌山は、今回の提訴にあわせて、県と市に対し、仮の許可を出すよう求める訴えも起こしていて、この中では、「8月末日までに許可を得られない場合、太陽光発電の固定価格買い取り制度に基づく買電価格の適用を受けられず、事業から撤退せざるを得なくなり、これまでに簡易アセスメントなどに投じた16億円以上が水の泡となる」とした上で、「将来的に140億円程度の事業収益を見込んでいるため、損害として主張することも検討している」として、賠償請求を起こす可能性についても言及しています。