AMラジオ災害問題協議会シンポジウム開催(写真付)

2020年01月14日 20時12分 ニュース, 社会, 防災

和歌山放送を含む近畿の民放ラジオ局とNHKでつくる「AMラジオ災害問題協議会」のシンポジウムがきのう(1/13)、京都市上京区のKBSホールで開かれ、各局のパーソナリティが、災害発生に備えてラジオに何ができるのか、議論しました。

これは、阪神大震災の発生から、今月17日で25年の節目の年を迎えるのにあわせて開かれたものです。

きのうのシンポジウムでは、はじめに気象予報士で防災士の正木明(まさき・あきら)さんが、震災当時、生放送していた体験談を交えて基調講演し、南海トラフ巨大地震の発生確率が、30年以内に70%から80%といわれる中、阪神大震災は、発生の前日時点で4%の確率だったと指摘し、南海トラフの確率がいかに高いかを示しました。

基調講演する正木さん

このあと行われたパネルディスカッションでは、協議会に参加する7つの放送局からパーソナリティやアナウンサーが、自らの体験談や放送局としての取り組みなどを紹介しました。

ABCラジオの道上さん

この中で、阪神震災当時、番組の準備中で、一度、屋外へ退避した後、スタジオに戻ったラジオ関西の谷五郎(たに・ごろう)さんは、当時の音源を交えて紹介し、「こちらから求めなくても、リスナーからの情報が多く寄せられ役に立った。これは、普段からの信頼関係があってこそだった」と強調しました。

ラジオ関西の谷さん

また、当時、東京勤務だったものの、神戸市に帰省していて震災を体験したNHK大阪放送局の住田功一(すみだ・こういち)アナウンサーは、指示を出す東京の報道局と現場とのギャップにいらだったことや、助けを求めている少年のSOSに気づけなかったことを振り返り、教訓とするよう求めました。

NHK大阪放送局の住田アナウンサー

一方、震災当時、2歳だった、和歌山放送の覚道沙恵子(かくどう・さえこ)アナウンサーは、和歌山県の北と南でまったく気象状況が違った2011年の紀伊半島大水害を踏まえて地域の特徴を学ぶ必要性を強調したあと、阪神大震災を経験した他局の先輩たちに対し、リスナーのニーズを、どのようにしてくみ取ればいいのか、質問しました。

和歌山放送の覚道アナウンサー

これに対し、ABCラジオの道上洋三(どうじょう・ようぞう)さんは、阪神大震災で、仮設住宅に住む人から「あなたの声を聞いて、いつもの生活が帰ってきた」と言われたエピソードを紹介し、「ラジオがすべてをカバーするのは難しいが、できることを、できるときに、できるだけ伝えるのがラジオの役目だ」と話しました。

MBSラジオの福本アナウンサー

ラジオ大阪の藤川アナウンサー

パネルディスカッションでは、4人のほか、MBSラジオの福本晋悟(ふくもと・しんご)アナウンサーと、ラジオ大阪の藤川貴央(ふじかわ・たかお)アナウンサー、それに、KBS京都の森谷威夫(もりたに・たけお)アナウンサーもそれぞれの考えを披露し、コーディネーターを務めた関西大学社会安全学部の近藤誠司(こんどう・せいじ)准教授が、「いつも聞いているラジオを育てていただきたい」と総括しました。

KBS京都の森谷アナウンサー

 

進行を務めた関大の近藤准教授

会場には、およそ300人の市民が訪れ、日頃、聞き慣れたパーソナリティの話に聞き入っていました。

開場を待つ観客の皆さん

なお、このシンポジウムの模様は、1月18日(土)の正午から1時間にわたって、和歌山放送の特別番組として放送されます。